勉強としての建築学は進みますが、一向に興味も沸かないままに
やがて就職の時がきました。
しかも世はオイルショックに直面し、国を牽引してきた建築業界は戦後始めて、
その隆盛をストップした時でした。

 Kさん、その友人で、農家出身のU、公務員の息子Oの3人は
何になるか、どこへ行けばいいのかもはっきりしないままに就職活動を始めましたが
成績優秀者でさえ決まらない中、悪戦苦闘することになります。

 U君は名古屋の製鉄所へ。O君は営繕専門の会社へと決まりました。
Kさんは出来るだけ、濃い建築(?)の世界へは行かないことを決め、
某大手住宅メーカーの内定を取りつけることが出来ました。
将来は多少専門知識のある営業マンくらいがいい…そういう結論です。

 卒業生の内、建築業界へのビジョンの明確だった学生の多くは
ゼネコンや大手設計事務所、有名事務所へと就職しましたが
Kさんのような将来に迷いのある人達は、業界の主流へは乗らず
臨機応変に対応出来そうな方向を選ぶ者も少なくなかったようです。

 しかし、これで一件落着しないのが人生…
多くの卒業生のその後は、自分達の思惑とは違う方向へと向かいます。

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